WJ-100SKB ネック折れ修理+化粧直し(旧作業場最後の作業)

※携帯のカメラ撮影画像のため、画質粗いと思いますがご勘弁を m(__)m

実は2本目になる黒ヒゲ、最初のがどうにも後に引けない状態(笑)で復元にかなりの時間を要するため、運良く見つけたものを代用することに。
ただし、→画像のようにネック裏に割れがあり、見た目には亀裂にしか見えなくても実は深刻で、恐らくはトラスロッドの収まる溝穴まで達しているでしょう。
もちろん、このままではネックの反り調整も不可能ですし、いち早く修理に取り掛からねばなりません。
←とりあえずペグ、ナット、サドル、ブリッジピンなどすべて取り外します。
ピックガードも若干垂れ下がっていましたので外しましたが、見事に両面テープだけが残った状態に(笑)。
これは「シール剥がし」剤で入念に取り去ります。
→取り外したピックガード、曲がりも折れもせずにきれいに外せました。
貝ロゼッタが隠れる「初期ベーヤン仕様」にデザインを近づけますので、そのピックガードを製作するための「型紙」となります。
もちろん、相方殿製作の「テンプレート」が活躍するのは、言うまでもありません(^^♪
←両面テープをきれいに取り去った状態、トップの傷も浅いものはほぼ消えて、きれいになりました(^^♪
ブリッジの弦交換でピンを抜く際についたと思われる傷も塗装のコートが剥がれているだけのようで、整面して塗り直せば全くわからなくなるでしょう。
→いよいよ割れ目の接着、内部のトラスロッドと表の指板があるため「完全には割れない」のがネック割れの泣き所で、割れ目に強引にボンドを注入して接着するしかありません。
注射器にタイトボンドを入れて、少し広げた割れ目に針を挿し込み注入、粘り気があるためかなりの力作業(>_<)
はみ出るくらいまで注入したら当て木を添えてクランピング、タイトボンドは乾きが早いのですが、念のためこのまま一晩置きます。
←クランプを外すとほぼきれいに接着した模様、割れ目が開くこともない、と言うか開いてもらっては困る(笑)。
わずかに残った段差とはみ出たボンドを除去するためサンディング、ついでにヤマハのカポと思われる装着痕も削ってみました^^;
ペグは新しい物に付け替えますのでネジ穴を「爪楊枝」の木片で塞いでいます。

→ストラップピンの位置も変更しますので、ここは「爪楊枝3本」を叩き込んで塞ぎました。
よってネックの裏は全面塗装、となりますね^^;
前オーナーの残した当て傷などは「このギターが使われてきた証」ですので触らず、そのままにしてあります。
←上の拡大画像、きれいなマホガニーの木目が露出しています。
亀裂の筋はどうしても残りますが、ベタの黒を吹き付けてさらに艶消しクリアでコートしますので、多少は目立たなくなるでしょう。

→早くも吹き付け、天候にも恵まれたのでやれる時にやってしまいます(笑)
バインディングなどを入念にマスクして、無透過の黒ペイントを3度、その上から艶消しのクリアラッカーを2度吹き付けました。
この場所で吹き付け作業をするのも、これで最後になるのでしょう。
ネックの修理作業はひとまず終わり、次はブリッジの再塗装。

←もともとはブリッジ固定ネジを隠すためのパールドット、モーリスでは完全にダミーなのですが、アリスのふたりに渡されたプロトではこのドットはありませんので、躊躇なく塗り潰します^^;
入念にマスキングをして、このあとボディ全体も新聞紙などを使って覆いつくし、吹き付け作業へ。
今回は艶消しの黒を3回、仕上げに艶消しのクリアーを2回コートして、乾いたら完了(^^♪
→のようにきれいになりました。
随分時間が経ちました^^;

いよいよピックガードの再製作・・・作り方はこちらを参照して頂くとして、もうすでに切り抜きました(笑)
相方殿から預かったテンプレートとサークルカッターを使って、サウンドホールの穴を開けるのですが、コレが大変で・・・必ずしも「ど真ん中」に来ているとは限りませんし、またSKとSKBとはパーフリングの径が違うため、それも考慮しないとエライ目に合います。
今回のSKBは幸い、ほぼど真ん中に来ていたため比較的簡単に合わせられました。
で、縁取りをして両面テープで貼り付けたら、右の画像のように「初期ベー仕様」に(^^♪
エエ感じです。
←ペグも交換、アリスモデルには採用されていたメタルキーストンのボタンを再現。
最近のギブソンはグローバーを採用しているようですが、僕は好きではないのでやっぱりGOTOHを使っております。
ナットの6弦側が欠けていたので、以前作って合わなかった象牙ナットのストックを流用して加工し、取り付け。
サドルもピエゾのバーセンサーの分削らないといけないのですが、ストックの中から低めのもの、多分牛骨製に交換。

→ピックアップは黒ヒゲ1号(笑)につけていたFishman Elipse VTを外して、コンバート。
エンドピンの穴を拡張中に、板に亀裂が入るトラブルに見舞われたものの、何とか取り付けることが出来ました・・・。

何とか蘇生・復活に成功、ネックの亀裂も完全に接着していますし、これでまた使い続けられることでしょう。