MGB-100-12 ブリッジ補修作業

以前入手したMGB-100-12、全体的な状態はとてもキレイなのですが、ブリッジにとんでもない加工がされていました。
恐らくテンションがきつくなるのを恐れたのでしょう、ピン穴に深く溝を切り込んでそれを解消したいと思ったのでしょうが、ほとんど意味を成さず醜い改造跡が残ったのみ・・・^^;
最初はブリッジに黒檀の木片を差し込み、応急処置を施したのですが(「柾目」の清田さん、お世話になりました)、どうしてもきれいに治したくなったので・・・ブリッジを剥がしてしまいました(爆)。
アイロンで熱を加えるとブリッジが焦げる危険性があったので、今回はドライヤーで暖めながら、パレットナイフを端から差し込んでジワジワ、メリメリ・・・バキッ^^;
残ったニカワをスクレイパーと彫刻刀で削り落とし、きれいに整えたところで刻まれた溝にスプルースの端材を差し込み、接着。
乾いたらはみ出たバリを取り除き、きれいに整えます。
こちらは剥がしたブリッジ。
表面を軽くサンディングして凸凹を直しまして、今回初めてウッド・エポキシパテを使用。
溝の部分に押し込むように盛り付け、軽く面を整えてはみ出たパテを取り除き、1日以上乾燥させます。
説明書には「冬場で約24時間で固化し、1週間以内に加工作業をしてください」とありますので、かなりの強度が期待出来そうです。
乾燥後に盛り付け面が痩せることもありませんので、継ぎ足すことも不要ですし、これはなかなか使い勝手が良さそうですが・・・。
随分時間が過ぎました(笑)。

とにかく上の状態からはみ出たパテをサンドペーパーや棒やすりなどを使って整形し、艶消し黒のラッカースプレーで塗装。
十分に乾燥しましたので、いよいよボディに貼り付けます。

ボディの接着面をペーパーで擦って、ニカワが浸透しやすくします。
液体ニカワをはみ出ない範囲でたっぷり塗って、ピン穴がずれないように当て木兼用の冶具を使って位置決めし、ブリッジを載せます。
軽く押さえてはみ出たニカワは水で塗らしたウエスで拭き取り、密着させるためにクランプを使用して締め付けます。
ここでもニカワがジワジワとはみ出ますので、残らないようにしっかり拭き取って、あとはこのまま1日以上放置。
思えば接着作業は初めてなんですよね(爆)

ブリッジ押さえの冶具は「柾目」さん提供のスグレモノ、クランプ底面には当て木取り付け加工をしてあります。
あとはしっかり密着することを祈るばかり・・・。
無事定位置に戻ったブリッジ。
ただ、まだ完全に乾いてはいないようですので、もうしばらく弦は張らずに様子を見ます。
穴ははみ出たニカワで塞がれたりしていますので、リーマーややすりを使って元の大きさに広げてやります。
これで一件落着、とひとまず安心していたのですが・・・^^;

やはり塗装の上から傷をつけたくらいでは接着は出来ず、弦を張って放置していると徐々にブリッジが剥がれ始めてしまいました。
補修した溝の部分もやっぱり弦が食い込み、もうこれは一から作り直すより、根本的な治療は望めないようです。
またまた柾目さんにお願いして、材の大きさに合うローズウッドを手配。
ウチには設備がないので、大まかな型取りとサドル、ブリッジピンの位置決めをして頂きました(感謝)。
やはりルータ、糸鋸盤、ボール盤は必要ですね・・・。
それからあとはベルトサンダーを使って整形し、表面のアールもつけていきます。
最初は80番でガリガリ削り、180番で面を整え、240番で仕上げ。
出来上がったのが上のものです。
表面の角はつけずに、滑らかにしました。
こうして見るときれいですが、実際にはちょっと波打っていたりします(笑)。
なかなか設備の整ったメーカー製(下)のようにはいきませんね・・・。
前の接着部分を隠すため、少しだけ大きめに製作します。
ローズというとどうしても黒檀よりは格下のイメージがありますが、どうしてどうして、なかなかに硬い木なんですね。
ちょっと見直しました。
木目もなかなかきれいなので、このまま色を塗らずに使おうかと思います。
前回の反省を踏まえ、接着面の塗装は彫刻刀を使って完全に剥がしました。
とりあえず仮合わせしてみましたが、ピン穴もほとんどずれず、前の接着部分もほぼ覆われるようです^^;

さあ、今度こそは完全密着だ・・・上手く行きますように^^;
再びクランプで圧着。
ボディに微妙なアールがあるため、しっかり密着させるにはこれしか方法がありません。
梅雨時なので乾燥しにくいのですが、このまま数日放置して、外周だけでも乾くまで待つことにします。
一日でもいいから、晴れてくれ^^;
3日3晩ほどクランピングして、外してみたらブリッジに冶具の跡が・・・^^;
急いでペーパーで修整、まぁ何とか接着したようです。
一見素人細工には、見えませんね(^^)
裏側に漏れたニカワは濡らしたウエスで取り除き、まだ内部は乾いていないはずですので、このままの状態でもうしばらく放置します。
乾燥のために、ついに除湿機まで購入しました(笑)。
サドルの溝はオリジナルよりも幅を広げていますので、また作り直し。

とりあえず1ヶ月近く放置して、頃合を見計らって弦を張ってみました。
まだ様子を見ないとわかりませんが、今のところしっかりと接着していますし、この作業は完成を見た、と言ってもいいでしょう。
やれば出来る、ということですね(^^)